キャラクター

本作品の主人公・辰木 桂と、その周辺にいる主要なキャラクターについて紹介する。ただ、本作は非常に登場人物の多い作品であるため、一部しか紹介できない。筆者の好きなキャラクターについては別の項にて一部紹介したい。

主要キャラ紹介

辰木 桂(たつき・かつら)

katsura神戸の大学に通う、本作の主人公。現在の住まいは神戸市長田区だが、生まれは東京で、標準語で話す。父、母、料理人志望の弟・晴君(はるきみ)の4人家族。大学では文学部美術科で、油絵を専攻し、伊達ゼミに所属する。他に、文科系サークルである英語文化研究部(英研)の部室にもしばしば顔を出す。英研といっても、英語文化を研究している節はなく、コーヒー愛好会と言っても過言ではないが。大学卒業後は西区でミニコミ誌などをつくる伊川谷カンパニーに就職。

金城 和歌子(かなぎ・わかこ)

wakako神戸生まれ、神戸育ち。桂にとって、神戸で初めてできた友達。文学部英文科。いつも身ぎれいにしていて、落ち着きがある。高校生のときに阪神・淡路大震災で被災。当時は1つ年上の恋人がいて、彼に合わせて喫煙していたが、震災をきっかけに彼に対する気持ちが冷めるとともに、タバコもやめてしまった。現在の恋人の林浩(リン・ハオ)とは避難所で出会い、和歌子からのアタックの末に付き合うことに。ひよどり台の仮設住宅で同棲していたが、和歌子が2回生のときに婚約した。

泉海 洋子(いずみ・ひろこ)

hiroko和歌子と同じ文学部英文科。身長175cmで、現役のモデル。芸名はイヅミ、またはIzmi。1回生のときには学祭のミス・キャンパスで優勝している。桂をいつも「ちっちゃい子」扱いするが、実は自分の方が甘えん坊な妹気質。桂のことを「かつらっち」、和歌子のことは「かこっち」、林浩の友人でフランス人留学生のエリック・ワイスのことは「エリッくん」など、独自のあだ名で呼ぶ。実家は姫路の和菓子屋で、工場兼自宅の屋根裏に暮らす。在学中にフランスとイタリアに留学する。

鈴木 タカ美(すずき・たかみ)

takami桂と同じ文学部美術科、油絵専攻の伊達ゼミ生。また、英研仲間でもある。「明るくって面白くって可愛くってそして少し口の軽い鈴木さん」と桂は称している。ゼミの同級生の中で一番絵がうまく、漫画家を目指している。高校時代に2回、「なかよし」にマンガを送ったがいずれも「もう一歩賞」だった。大学卒業前には漫画家のアシスタントをしたり、自作の漫画を雑誌社に送ったりしている。豊中在住。父親は蒸発しており、小学生のときに母と2人で夜逃げ(本人曰く「昼逃げ」)をしたことがある。高校生のときに仲の良かった友人が自殺してからは、人が亡くなったときにどんな顔をしていいのか分からないと言う。

日和 洋次(ひなた・ようじ)

hinataひよりと書いてひなた。神奈川県出身のイラストレーター。二十歳のときの交通事故で脊髄を痛め、以来車椅子生活。いつもかけているサングラスの下の左目は義眼。また入院中に腎臓疾患に罹患したため、2日に1回の人工透析が欠かせない。交通事故が、飲酒運転による車2台の正面衝突で、日和がただ1人生き残ったこともあり、実家や親族とは没交渉。
事故後の入院中に、同じく車椅子生活者だった葛西という男のすすめで絵を描くようになった。六甲アイランドに住み、元町高架下商店街に「FREEDOM」というアトリエ兼ショップを持つ。
32歳の若さで、心不全により急逝。